相続が開始したらすべきこと

2014年6月 9日 月曜日

相続が開始したらすべきこと(その2)

 前回のブログでは、相続が開始したらすべきこととして、各機関への届け出を中心に記載しました。今回は、引き続き遺品の整理、遺言書、葬儀などの対応について整理しています。

遺品の整理
 遺品を整理している中で、遺産に関する重要書類や遺言書が出てきたりすることがあります。相続人のうち一人もしくは一部の人で行う場合、高価な動産を勝手に自分のものにしてしまったり、発見した遺言書を勝手に開封してしまったり、さらにはその遺言書の内容が自分に不利である為に勝手に破棄してしまうといった可能性があります。
 従って、ご遺族の皆さんの立ち合いで遺品整理をされることをお勧めします。

遺言書の探索
 まず財産分けをどうするかを判断するにあたって必要なことは、遺言書があるかどうかです。そこで、被相続人の遺言を探さなくてはなりません。民法に規定されている遺言は、自筆証書遺言、公正証書遺言、秘密証書遺言、特別方式の遺言(臨終遺言、隔絶地遺言)の4つですが、この中の公正証書遺言は公証役場で保管されています。日本公証人連合会が全国の公正証書遺言の情報をコンピュータで管理しているため、公正証書遺言が作成されているかを公証役場で調査してもらうことができます。相続人が、亡くなった方の除籍謄本とご自身の関係を示す戸籍謄本(一つの謄本に記載されていればそれでよいです)、ご本人の身分証明書を近くの公証役場に持っていけば照会の依頼が可能です。
 照会自体については費用はかかりませんが、遺言書が見つかった場合の遺言書を閲覧したり、謄写したりする場合は費用がかかります。

葬祭・祭祀関係
 葬祭にかかる費用や香典などが、相続においてどのように処理されるかが気になると思います。
 まず、通夜や葬儀に要する費用として、各種業者に対して支払いが発生します。これら費用については一般的には、喪主が負担するものと考えられています。遺産分割の現場でも、葬儀費用は前提問題といわれ、これについて紛争となっても調停ではなく裁判(民事訴訟)で解決してくださいといわれます。もちろん、遺族間、相続人間で葬祭費用の負担割合を決める合意自体は有効です。
 また、香典の扱いについては、葬儀費用など遺族の経済的負担の軽減を目的として祭祀主宰者・遺族に対してなされる贈与であると考えられており、遺産分割の対象とはされていません。実際にも、葬儀費用の負担者が管理し、精算していることが多いでしょう。
 位牌や仏具、墓石についても祭祀財産といわれ、遺産分割の対象にはなりません。これらの承継者をどうやって決めるかですが、まず被相続人の指定、次に慣習、それでも決まらなければ家庭裁判所の審判で決めることになります。
 最後に、遺骨については、慣習上の祭祀主催者に帰属すると考えられています(最高裁判例)。なお、遺産分割では、分骨といって相続人間で遺骨を分けあうような取り決めも可能です。


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2014年6月 6日 金曜日

相続が開始したらすべきこと

 今回は、相続が開始したらすべきこととして、近親者の死亡後に相続人が対応すべきことについて、事務局の新井さんに項目をピックアップしてもらいました。

市区町村(役所)関係の届出
 近親者が亡くなったときにまず提出するのは、死亡届です。死亡届は、医師が死亡の証明書として発行する死亡診断書とひとつになっています。死亡届は、死亡者の親族や同居者等が、死亡を知った日から7日以内(国外で死亡があった場合は3か月以内)に、死亡者の本籍地・届出人の所在地・死亡した場所の市区町村の戸籍係に提出します(戸籍法86条)。
 死亡届を提出すると、住民票は自動的に抹消されます。もっとも、成人の方が3人以上いる世帯で亡くなった方が世帯主であった場合は、死亡を知った日から14日以内世帯主変更届が必要となります。
 また、運転免許証やシルバーパスなどは速やかに警察署や役場に返還することになっています。

税務署
 相続税が発生する場合の申告期限は原則、被相続人が死亡したことを知った日の翌日から10カ月以内です。
 亡くなった方の当該年度の所得税の申告と納税については、準確定申告といって、相続の開始があったことを知った日の翌日から4カ月以内に行う必要があります。

健康保険
 国民健康保険に加入している方が死亡した場合、死亡により国民健康保険を脱退することになります。脱退の手続として、14日以内に保険証の返却、資格喪失届の提出をしなければいけません。さらに、申請により、葬祭を行った人に対し、葬祭費が支給されます。職場などの健康保険に加入している方が死亡した場合の手続に関しては、直接加入している健康保険に問い合わせるのがよいでしょう。
 後期高齢者医療制度に加入している方が死亡した場合、死亡届により自動的に資格喪失となりますが、保険証を、市区町村の役所へ返却する必要があります。後期高齢者医療制度でも、葬祭費が支給されます。

年金
 年金を受けている方が亡くなった場合、年金を受ける権利が亡くなるため、「年金受給者死亡届」を年金事務所に提出します。ただし、日本年金機構で住民票コードが収録されている方については、住民基本台帳ネットワークシステムにより自動的に、日本年金機構が亡くなった情報を取得するため、死亡届の手続の必要はありません。年金を受けている方が亡くなったときにまだ受け取っていない年金や、亡くなった日より後に振込みされた年金のうち、亡くなった月分までの年金については、未支給年金としてその方と生計を同じくしていた遺族が受け取ることができます。また、遺族年金や死亡一時金を受け取ることができる場合がありますので問い合わせてみましょう。

金融機関(銀行や証券会社)
 被相続人名義の預金や株式については、一部の相続人が勝手に預金を引き出したり、株式の名義変更をしたりして他の相続人の権利を侵害するのを防ぐため、金融機関(銀行や証券会社)へ被相続人の死亡を届け出て、口座や取引を凍結する必要があります。
 また、貸金庫については通常解約することが多いですが、事後のトラブルを防止するため、解錠については立ち会うべきでしょう。金融機関は、相続人のうち一人が貸金庫の開扉を求めても、これには応じない扱いをしているようです。

保険会社
 生命保険や医療保険については、死亡の届け出とともに証券番号が必要になります。また、保険金の請求は2年ないし3年の期間制限があります。保険証券を整理するとともにどこの保険に加入しているかを把握しておきましょう。


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