事務所ブログ

2016年1月29日 金曜日

海外在住の方の相続手続について

これまで国際相続に関しては、以下のブログを書きました。
国際相続(その1)
http://www.am-lawoffice.jp/blog/2014/04/post-7-836295.html
国際相続(その2:韓国)
http://www.am-lawoffice.jp/blog/2014/05/2-1-845987.html
国際相続(その3:中国)
http://www.am-lawoffice.jp/blog/2014/05/post-1-848385.html
国際相続(その4:台湾)
http://www.am-lawoffice.jp/blog/2014/05/post-1-850646.html

今回は、海外在住の方が日本で相続手続を行うことの困難さについて記載したいと思います。

まず、国内で相続が発生した場合に、相続人間の話合いにおいて自分の権利をどう主張するかという問題があります。
相続人の方の生活の本拠が海外にある場合、日本に来て話合いに臨むこと自体、容易ではありません

仮に話合いがつかなければ、遺産分割調停に臨むことになりますが、調停の期日ごとに相続人の方が出頭する費用的・精神的負担は極めて大きくなります

次に、話合いが片付いたとしても、遺産分割協議書の作成や検討にあたり、自分の権利が守られ、自分の意見が反映されているかについて、専門家に見てもらわなくて大丈夫かという問題があります。

また、相続税を申告する必要がある場合には、国内の税務署(被相続人の住所地を管轄する税務署)に申告しなければなりません。その場合の税理士との打ち合わせや書類のやり取りにも困難が生じます。
さらに、相続税だけではなく、例えば収益不動産を相続した場合には日本国内で所得税を申告納付する必要がありますし、相続後に不動産を売却した場合も日本国内で譲渡所得税を申告納付する必要があります。

これらを考えると、とても面倒、自分の相続分はあきらめよう、と考える方もいるかもしれません。

しかし、そう簡単にあきらめる必要はありません。
弁護士に依頼すれば、これらの全ての煩わしいやり取りや難しい相続人間の話合いの負担を大幅に軽減することができます。
当事務所では、必要に応じて、メールやスカイプなどで連絡をさせていただき、打合せを行います。
これにより、海外にいながら、弁護士に自分の意見や主張をもれなく伝えることができ、日本国内の必要な手続の代理を依頼することができます。
また、納税や登記手続が必要な場合には当事務所の協力税理士や司法書士に依頼することができますし、相続した財産は希望に応じて海外送金することもできます。


是非、国外の方で相続問題でお困りの方はご相談していただければと思います。

お問い合わせはこちらから
詳細につきましては、松井・森岡法律事務所まで(担当 松井)
電話 03-3261-7125
FAX 03-3261-7126

投稿者 松井・森岡法律事務所 | 記事URL

2016年1月15日 金曜日

生命保険金に特別受益は成立するか

特別受益については、以下のブログを書きました。
特別受益の計算の仕方
http://www.am-lawoffice.jp/blog/2015/11/post-39-1223536.html
生前贈与と特別受益の関係
http://www.am-lawoffice.jp/blog/2015/11/post-42-1227265.html
特別受益で争わないようにするには
http://www.am-lawoffice.jp/blog/2015/12/post-43-1245509.html
特別受益と黙示の持戻し免除の意思表示
http://www.am-lawoffice.jp/blog/2016/01/post-45-1249563.html

今回は、生命保険金に特別受益は成立するかという点についてブログを記載します。
回答から申し上げると、特別受益が成立する場合があるということになります。

まず、生命保険金の受取人は契約者が指定できます。
そして、保険金受取人が誰になっているかで、相続財産になるかどうかが分かれます

1.保険金受取人特定の相続人に指定されている場合、生命保険金(請求権)は相続財産ではありません
保険金請求権は、指定された受取人の固有の権利として取得するので相続財産とはならず遺産分割の対象とされないのです(最高裁昭和40年2月2日判決)。
2.保険金受取人が単に被保険者の相続人と指定されている場合、これも生命保険金(請求権)は相続財産とはなりません
この場合も、相続人の固有の権利となり、各相続分に応じて請求権を分割取得することになります(最高裁平成6年7月18日判決)。
3.保険金受取人被保険者と指定されている場合、生命保険金(請求権)は相続財産となります
4.保険金受取人空欄であった場合、約款等の定め方によって相続財産かどうかが決まります

以上を前提として、生命保険金が特別受益にあたるかどうかが問題になるのは1の場合、つまり特定の相続人だけが生命保険金を受け取る場合です。

この場合、生命保険金が相続財産にならない以上、特別受益の成立の余地はないということになりそうです。
しかし、特定の相続人だけが多額の生命保険金を得て、その他の相続人には相続財産がほとんど残っていない場合はさすがに不公平感が強いでしょう。
そこで、最高裁平成16年10月29日判決は、保険金受取人である相続人とその他の共同相続人との間に生ずる不公平が民法903条の趣旨に照らして到底是認することが出来ないほどに著しいものであると評価すべき特段の事情が存する場合には、保険金請求権は特別受益に準じて持ち戻しの対象となると判断しました。

要するに、例外的に、生命保険金が特別受益に該当する場合があると判断したのです。
その例外的な場合にあたるかどうかは、保険金の額や、遺産総額に対する比率、同居の有無、被相続人と各相続人との関係、各相続人の生活実態など諸般の事情が考慮されます。つまるところ、総合判断です。

従って、生命保険金の受取人が相続人に指定されている場合であっても、相続財産からは外れてしまうのか..と簡単にあきらめる必要はありません一度ご相談をいただければと思います


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2016年1月13日 水曜日

特別受益と黙示の持戻し免除の意思表示

特別受益については、過去、以下の記事を書いています。

特別受益の計算の仕方
http://www.am-lawoffice.jp/blog/2015/11/post-39-1223536.html
生前贈与と特別受益の関係
http://www.am-lawoffice.jp/blog/2015/11/post-42-1227265.html
特別受益で争わないようにするには
http://www.am-lawoffice.jp/blog/2015/12/post-43-1245509.html

前回は、特別受益で争わないようにするために、持戻し免除の意思表示についてブログを記載しました。
今回はその続きになります。

持戻し免除の意思表示は、意思表示というくらいですから、明示されていることが基本です。
しかし、明示されていなくても、「黙示」での意思表示が認められるケースがあります。
過去に裁判所で認められたケースとしては以下のものがあります。
1.配偶者(妻)に対する土地の生前贈与につき、妻の貢献に報い、妻の老後の生活を支えるためとして認めたケース。
2.病気や身体的な障害を有する子に宅地等を贈与したことが、その子の生活を支えるためとして認めたケース。
3.被相続人所有の土地上に家屋を新築した子が当該家屋に被相続人と同居して面倒を見ていた場合に、土地の利用権の特別受益について認めたケース。

いずれも、黙示の意思表示があるというための積極的な事情、つまり受けた贈与の分だけ他の相続人より多く取得することを認めるための合理的な理由が必要とされています。
以上のとおり、黙示の意思表示の成立を主張するようなケースは、いきおい話合いでは調整がつかず調停に行く場合が多くなります。
被相続人としては出来れば、相続人間で持ち戻し免除の意思表示があったかどうかで争いにならないよう、明示しておくことが必要でしょう。


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