事務所ブログ

2014年4月24日 木曜日

国際相続(その1)

今回は、国際相続についてお話したいと思います。
国際相続とは人的関係や相続財産が2カ国以上にまたがる相続のことをいいます。
相続人が日本国外におられたり、被相続人が外国籍であったり、さらには相続財産が海外にもある場合には、国境をまたいだ相続手続を考える必要があります。

このような場合、どの国の法律が適用されるかについて、3つのレベルに分けて考える必要があります。
まず、1.相続分を決めるのにどの国の法律を使うか、
次に、2.遺産分割をどの国の裁判所で行うか、
さらに、3.裁判所で決まった権利関係をどう実現するか、
という問題です。

従って、例えば、在日の韓国国籍の方が亡くなった場合で日本や韓国に相続財産がある場合を想定すると、
1のレベルでは、法の適用に関する通則法という法律により、相続については被相続人の本国法が適用されますので、韓国の民法に従って相続分を決めることになります。
2のレベルでは、当事者間で協議がまとまらなければ、日本の家庭裁判所に調停を申立ることができます。ただし、相続人のほとんどが韓国にいるとか、遺産の大部分が韓国にあるといった場合には、韓国で調停するほうが好都合でしょうから、韓国で調停を申立をすることもできます。この場合に、日本で調停をしようとするのであれば、家裁に問い合わせて、日本で手続きを行うことの妥当性を説明する必要があります。
3のレベルでは、例えば調停で合意した場合や、審判までいって確定した場合、通常は任意に履行されるのでしょうが、不幸にしてそうでない場合、その記載された内容を韓国で実現する場合には、韓国の裁判所で外国判決の承認・執行という手続が必要になります。

韓国の法体系は日本と似ているので、わりと頭を悩ませるということは少ないかもしれません。
それでも、相続分の割合が日本と微妙に違っています。
次回では、各国の違いについても見ていきます。


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2014年4月21日 月曜日

相続財産管理人について(相続債権者との交渉)

さて、相続放棄をしても、相続放棄をした者は、完全に義務を免れるものではありません
他の相続人が相続財産の管理を始めるまで、法的には財産の管理を継続しなければなりません。
相続人の全員が相続放棄した場合、相続放棄した者がこの財産管理継続義務から逃れるためには、相続財産管理人を選任する必要があります。
相続財産管理人とは、相続人がいることが分からない場合や相続放棄がなされて相続人がいなくなった場合に、利害関係人や検察官の請求によって家庭裁判所から選任され、相続財産の管理・整理を行う者のことをいい、弁護士や司法書士が想定されています。

しかし、平成24年のデータによれば、相続放棄の申立の案件は約16万件で、相続財産管理人が選任された件数は約1万6千件ですから、多くの相続放棄のケースで相続財産管理人は選任されていないようであり、実務での感覚も同じようなものです。
相続財産管理人選任の申立にはその報酬分として、裁判所に収める予納金が必要であり、これがネックになっています。相続放棄をするような被相続人の場合は、相続財産がマイナスになる場合がほとんどでしょうから、予納金を支払うような相続財産管理人の選任をわざわざしないのでしょう。

では、被相続人の債権者は、相続人が相続放棄する場合、どのように考えるでしょうか。
わざわざ予納金を納付して相続財産管理人選任を申立てたとしても、他に債権者もいるかもしれないし、自分の債権が回収できるかどうかも不明である。
それであれば、債権者が自分で相続財産管理人選任の申し立てをするよりも、相続放棄を検討している相続人から、残っている債権について減額合意の提案がなされれば、了承しようという考えになることがあります。

相続人としては、上記のような相続財産管理人制度の実情を踏まえて、被相続人の債権者と交渉して相続放棄を材料にして相続債務の大幅な減額に成功することもあるということです。


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2014年4月18日 金曜日

相続放棄(その3)

弁護士の松井です。先週、相続放棄についてブログを書きました。その続きです。
http://www.am-lawoffice.jp/blog/2014/04/1-819899.html
http://www.am-lawoffice.jp/blog/2014/04/2-822537.html

相続人が、被相続人に財産があることを知っていたけど、債務があることを知らずに死後3か月経過した相続人の場合は相続放棄できるでしょうか。

最高裁が、熟慮期間は、相続人が相続財産の全部または一部の存在を認識した時または通常これを認識しうべき時から起算すべき、といっている以上難しいとも思えます。
しかし、それでは相続人に酷な場合もあります。
家裁では、このようなケースでも個別の事案では相続放棄を認めているものもあります。理屈としては、例えば、債務がないと信じることについて相当の理由があるから債権者の連絡があった時から3か月といったり、債務がないとの錯誤が解消されてから3か月といったりしています。
最高裁の判断内容からは無理があるように思いますが、個別に救済すべき事案については、家庭裁判所も理屈を工夫して対応しているといえます。
もっとも、認められるかどうかが微妙ですので、事案ごとに応じたポイントを突いた申立てをする必要があります
ポイントというのは、被相続人と相続人との生活状況であったり、接触の頻度などの事実関係になります。

さて、上記のケースのように、被相続人にプラスの財産があるけどマイナスの債務もある場合、相続人としては相続放棄するにはもったいないと思いますよね。
その場合、相続放棄ないし熟慮期間の期間伸長の申立ては、相続債権者との間で交渉の手段として利用することもあります。

これは相続人不在の場合の相続財産管理人の制度とも関連しますので、次回お話します。



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2014年4月16日 水曜日

戸籍の取り方・見方(その2)

引き続き、事務員の新井さんに戸籍の見方についてブログを書いていただきます。

戸籍の見方
前回お話ししたように、入手した戸籍謄本をどのように見て相続人を確定するのかについて記載します。

戸籍は昭和32年の法務省令による改製前は「家」を一つの単位としていました。例えば、兄弟姉妹だけではなく、叔父叔母や兄弟の配偶者や孫も全部、一つの戸籍にのっていました。
しかし、改製によって「夫婦」単位の現行の戸籍に改められました。この頃の戸籍は、縦書きで手書きの記載もあるのが一般的です。
その後、平成6年の法務省令による改製により、現在はコンピュータ化され、横書きのものが一般的になりました。住民票と似たような用紙になっています。これらの改製以前の縦書きの戸籍は、改製原戸籍といいます。
改製原戸籍には、本籍地、戸主(今の筆頭者)、婚姻や離婚、養子縁組や離縁、転籍等による入籍・除籍が記載されています。入籍直前の本籍地(どこから来たのか)と除籍直後の本籍地(どこへ行ったのか)が分かります。
入籍する前の本籍地が分かったら、その本籍地を管轄している役所に戸籍の請求をします。これを繰り返して、被相続人の出生までの戸籍をさかのぼって取り、相続人を探していきます。

また、死亡等により、戸籍に載っている人全員が除籍になった場合、保存期間経過後に戸籍は廃棄されていきます。廃棄された戸籍に関しては、廃棄証明を取得することが可能であり、この廃棄証明が必要になるケースもあります。保存期間については、平成22年の戸籍法施行規則改正により、80年から150年へと変更になりました。

こうして、相続人の確定にあたっては、民法の法定相続人の定めに従い、必要に応じて、子・親・兄弟姉妹の順番で戸籍をさかのぼっていきます。子と兄弟姉妹の場合には相続の開始時点で死亡していてもさらにその子が相続できる場合があり(いわゆる代襲相続)、注意が必要です。


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2014年4月14日 月曜日

戸籍の取り方・見方(その1)

今回は事務員の新井さんに戸籍の取り方・見方についてブログを書いていただきます。

なぜ戸籍が必要なのか
相続が開始したとき、まず相続人が誰かを確定する必要があります。
そのために戸籍謄本を集めなければなりません。遺産分割協議の前提として、また金融機関への提出用としても戸籍を取得することは相続実務の最初の一歩といえます。
被相続人は亡くなった方ですので、遺族が死亡届を提出すると戸籍には除籍と表示されます。

一方、民法上、相続人となる方は、まず配偶者です。配偶者以外の相続人は、第1順位が直系卑属(子・孫・ひ孫)、第2順位が直系尊属(父母、祖父母)、第3順位が兄弟姉妹(兄弟姉妹が死亡している場合にはその子)です。
例えば、子がいない夫婦の夫が亡くなった場合、相続人は、配偶者である妻と、夫の直系尊属(父母)となります。
しかし、父母ともに亡くなっている場合、次に相続人となることができるのは、夫の兄弟姉妹です。兄弟姉妹が亡くなっている場合には、その子が相続人になります。
被相続人にご兄弟がたくさんいる場合、その中には疎遠になっている方がいたり、兄弟の子どもの存在すら知らなかった、ということもあります。そうすると、今まで全く交流のなかった人が相続人に含まれていることがあり、調査や連絡に困難をきたすことがあります。
しかし、長年交流のなかった人や存在すら知らなかった人でも、法定相続人として相続分を受ける権利があります。
そこで、相続人が誰かを明らかにするために、被相続人の出生から死亡までの戸籍を確認することが必要になります。

戸籍の取り方
戸籍は、本籍地の役所に請求します。方法としては4つあります。
(1)本人もしくは配偶者・直系親族が直接窓口に取りに行く。
(2)代理人が窓口に取りに行く(委任状が必要です。)。
(3)本人もしくは配偶者・直系親族が郵送で取り寄せる。
(4)代理人が郵送で取り寄せる(委任状が必要です。)。
郵送で取り寄せる場合には、請求書(各自治体のサイトから印刷できます。)、手数料(郵便局で料金分の定額小為替を購入します。料金は各自治体で異なります。)、郵送料分の切手を貼った返信用封筒(宛名に自分の住所を記載し切手を貼ります。)、本人確認書類(写真付住民基本台帳カード、運転免許証等)の写しを送ります。

当事務所がご相談を受けて戸籍等を取得する場合は、戸籍法の定めに従い、職務上請求というのを役所に行って戸籍謄本を取得することになります。取得した戸籍の見方については改めて説明します。


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