事務所ブログ

2017年6月 9日 金曜日

セミナーのお知らせ(後見関係)

今回はセミナーのお知らせです。

来る6月20日に、大田区社会福祉協議会主催下記セミナーで講師を務めます。
当職が「今さら聞けない成年後見制度 ~あなたの知らない後見人の世界~」というタイトルで1時間30分ほどお話をします。
後見の一般的な内容に加え、後見人の不祥事の際の責任や、認知症患者の徘徊に伴う列車事故の責任が問われたJR東海の最高裁判決を通じてみなさんと一緒に考えてみたいと思います。
対象は医療・福祉従事者、民生委員、児童委員、金融機関職員等ということです。
興味のある方はチラシの≪申し込み先≫までご連絡ください。


お問い合わせはこちらから
詳細につきましては、松井・森岡法律事務所まで(担当 松井)
電話 03-3261-7125
FAX 03-3261-7126 

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2017年5月26日 金曜日

空き家の相続

今回のブログは空き家の相続と題して、空き家を相続するケース注意点について確認したいと思います。

今、日本全国で空き家が増えているのはご存知でしょうか。
人が居住せず、放置される空き家の増加に伴う倒壊、衛生上の危険を踏まえて、空き家対策法が平成27年5月に施行されたことも記憶に新しいです。

国土交通省の調査によれば、平成25年時点での全国の空き家の件数は約820万戸この10年間で160万戸以上増えています。このうち賃貸向け住宅は52%、半分強です。
https://www.mlit.go.jp/common/001107436.pdf
一方、東京では平成25年時点の空き家は約82万戸で、賃貸向け住宅が73%あることが特徴です(東京都都市整備局の調査)。
http://www.toshiseibi.metro.tokyo.jp/juutaku_kcs/pdf/h27_05/shiryo_27_05_08.pdf


相続の場面でも、相続財産に空き家があってどの相続人も欲しいと言わない場合に、この空き家をどうするかで問題になることがあります。
以下に注意点を列挙します。
1.売却
買い手がつくような空き家であれば、売却してその代金を相続することが可能です。遺産分割協議で合意して、または遺産分割協議中に売却することで売却代金を分割するケース。
あるいは不動産の価格が合意できれば特定の相続人が相続して売却するケースもあります。その場合、相続人間で合意した価格より高く売れても安く売れても後で覆すことはできません

しかし、売り出しても買い手がつかないような空き家については対応に困ります
売出価格からだんだんと価格を下げて買い手が現れるのを待つこともあります。こちらから隣家や近隣の方に買取を打診するという対応もあり得ます。不動産は、実は近隣の方に買われているというのが多いのです。
また、最近は、高齢化と人口減少に伴い、各自治体で空き家バンクといって、空き家のリストを作成して移住者を募集しています。自治体によって違いますが、移住者には補助金が出ます。このような空き家バンクに登録してみるのも一つの手でしょう。空き家バンクでは、売買賃貸の形態があるようです。
一般社団法人 移住・交流推進機構のHP https://www.iju-join.jp/akiyabank/

2.贈与・寄付
それでも売れない場合、困ってしまいます。ここからがノウハウや知恵が必要となる段階です。空き家であっても不動産ですから、当然、固定資産税保守管理費用がかかります。そうすると低廉な価格でも、場合によっては無償でも譲渡したいというケースがあるでしょう。
そこで、自治体に寄付するということも選択肢としては有りうるのですが、自治体の方で利用する目的が無いと不動産の寄付を受け付けないことが多いです。
あとは、NPO法人一般社団法人一般財団法人など公営法人に対する寄付も考えられますので、寄付を受け付けている団体を調査することになります。ただし、寄付みなし譲渡所得が発生する可能性がありますので要注意です。

3.譲渡所得税の特例
また、空き家については譲渡所得税の特例があります。2016年4月1日から2019年12月31日までの間に相続人が売却した場合は、居住用財産の3000万円の特別控除の適用が受けられます。
要件は、①被相続人が1人で住んでいたこと(老人ホームに入居していた場合は不可)、②その家屋が1981年5月31日以前に建築されたこと③相続の時から譲渡の時まで、事業用、貸付用または居住用でないこと④譲渡対価が1億円以下であること⑤相続開始の時から3年を経過する年の12月31日までに譲渡すること、などです。

4.相続放棄の注意点
相続放棄すれば空き家を相続することはありません。従って、最終手段として相続放棄するということも考えられます。ただし、相続放棄は以下の点がネックです。
まず、相続放棄をするかどうかを判断する期間は3か月という制限があります。但し、考慮する期間(熟慮期間といいます)を伸長することができます。
次に、相続放棄をしても同順位ないし次順位の法定相続人が相続することになります。相続人が相続放棄をして誰も相続人がいなくなった場合は、最後の相続放棄をした相続人が注意義務を負います(民法940条)この義務から解放されるためには、相続財産管理人の選任を行うことになります(費用面等いろいろな問題があります)。
さらに、相続放棄は、プラスの財産も放棄することになりますので、プラスの財産が多い場合には選択しないでしょう。


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2017年4月27日 木曜日

事務職員募集のお知らせ

本日は、事務職員の募集のお知らせです。
現在、平成29年6月から勤務いただける方1名を募集しています。

詳細についてはこちらの募集要項をご覧いただき、下記まで郵送メールにて履歴書をお送りください
面接させていただく方については、こちらからご連絡致します
業務内容は企業法人の法務紛争処理・紛争予防、契約書検討作成、労務)、個人の法務相続、資産・不動産管理、後見)などで外国籍の方・外国語が関わる案件もいくつかありますので、語学の得意な方も特性を活かしていただけます。もちろん、経理・エクセルの得意な方も歓迎します。

(郵送の場合)
〒102‐0083 東京都千代田区麹町3‐4 麹町K-118ビル3階
松井・森岡法律事務所 採用担当宛

(メールの場合)
info@m-lawoffice.com


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2017年4月24日 月曜日

戸籍取得がいらなくなる?(相続情報証明制度)

本日は、法務省平成29年5月29日から導入を検討している法定相続情報証明制度についてのブログです。

これまで、相続手続の際に必要となる金融機関法務局(登記)への申請には、申請の都度、戸籍謄本除籍謄本を添付する必要がありました。
その場合、戸籍謄本や除籍謄本などを1通ずつ取って各金融機関ごとに提出して原本を還付してもらって又その次とやっていますので、時間と手間がかかります
数十もの預金口座があると郵送の手続きだけで数ヶ月かかることもありました。

今回、法務省が検討している法定相続情報証明制度というのは、戸籍謄本の束の出し直しをしなくてよいように、登記所で登記官が相続人から提出された戸籍謄本を確認して、法定相続情報一覧図を作成し、その写しの交付を無料で行うというものです。
法務省の案内パンフレットこちらです。
これによれば、法定相続情報一覧図必要部数、発行してもらえれば、同時並行で複数の機関で相続処理が出来ることとなり、時間的にはかなり短縮できるでしょう

ただし、最初に戸籍謄本と除籍謄本は取る必要はあります
従って、親族関係が複雑な事案は戸籍の記載を読み取って、その他の相続人がいないか遡ってたどる必要があることに変わりありません
要するに同じ戸籍を複数取る必要や、金融機関ごとに原本還付する必要が無くなると言うだけです。
預金口座が多い被相続人のケースでは重宝されるでしょう。

国は、相続登記がされないまま放置されている不動産が年々増えていることに危惧を抱いており、法務省も、相続登記を促しています(写真は霞ヶ関の法務省前のポスターです)。

さて、相続情報証明制度の導入で、相続登記の件数は増加に転じるでしょうか


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2017年4月13日 木曜日

仮分割の仮処分(預金と遺産分割の関係)

本日は、昨年以来、各所で議論されている預金債権遺産分割最高裁決定に関するブログの第2弾です。

昨年、平成28年12月19日最高裁大法廷決定では、普通預金債権通常貯金債権定期貯金債権は相続開始と同時に当前に相続分に応じて分割されることはなく、遺産分割の対象となるものと解する」と判断を下しました。
これに引き続き、平成29年4月6日最高裁決定は、「共同相続された定期預金債権及び定期積金債権は、いずれも、相続開始と同時に当然に相続分に応じて分割されることはない」と判断して、信用金庫に対する定期預金債権も、相続により当然分割されないことを明らかにしました(最高裁の決定はこちら)。
金融実務に混乱の無いよう、定期預金についても同様に当然には分割されない旨を明らかにしたと考えられています。

昨年のブログにも記載しましたが、
上記の最高裁の一連の決定により、今後は葬儀費用の支出、あるいは相続税の納税資金について、被相続人の預金から支出できないケースが多くなります
また、特に緊急性の高いケースとして、特定の相続人が専ら被相続人から扶養を受けており、相続開始後に当該相続人の資力に余裕がない場合には深刻な影響が生じることになります。
例えば、家賃を負担してもらっていた相続人生活費をもらっていた相続人等のケースです。

その対策としては、最高裁の裁判官が補足意見で触れている仮分割の仮処分」の活用があります。
これは、遺産分割の審判を本案とする保全処分として、例えば、特定の共同相続人の急迫の危険を防止するために、相続財産中の特定の預貯金債権を当該共同相続人に仮に取得させる仮処分です(家事事件手続法第200条第2項)。

これを受けて、家庭裁判所内部でも、書式等の整備が進められているようです。ただし、仮分割の仮処分遺産分割調停・審判が係属していることが要件です。
従って、現に遺産分割調停が進行してる案件であれば、使いやすいかもしれません。
しかし、まだ遺産分割調停を申し立てていないケースで、上記のように資力に余裕のない相続人のケースでは仮分割仮処分を求める前にまず遺産分割調停を申し立てなければならず、戸籍で相続人の範囲を調べて、遺産の範囲を調査し、申立費用を負担する、となるとどれくらいの案件で実際に救済されるかは不透明と言わざるを得ません

やはり、上記のような相続開始後に生活の困窮が現実化する相続人がいる場合には、仮分割の仮処分に加えて被相続人が生前の対策として遺言の利用(遺言執行者を定めて速やかな遺言の実現を促す)遺言代用信託生命保険金ど検討しておくことが肝要でしょう。

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