事務所ブログ

2018年2月16日 金曜日

国際相続における遺言

これまで、遺言書についてはこのブログで多くの記事を掲載してきました。
http://www.am-lawoffice.jp/blog/igon/
本日のブログでは、国際相続と遺言の関係について、整理します。
国外にも資産がある方について、遺言はどのように準備しておくべきかという点について考えていきたいと思います。

まず、最初の問題として、特に国際相続の場合、どの国の法律で遺言の有効性を判断するのか遺言の方式の準拠法という問題があります。
遺言の方式の準拠法に関しては、その名のとおり「遺言の方式の準拠法に関する法律」というのがあります。
日本では、遺言とくに自筆証書遺言については自署であることなど厳格な要式が求められます。
しかし、遺言の方式の準拠法に関する法律は、遺言者の意思を尊重するため次のいずれかの法律に従った場合は遺言の方式としての有効性を認めています(遺言の方式の準拠法に関する法律第2条)。
行為地法
・遺言者が遺言の成立または死亡の当時国籍を有した国の法
・遺言者が遺言の成立または死亡の当時住所を有した国の法
・遺言者が遺言の成立または死亡の当時常居所を有した国の法
・不動産に関する遺言について、その不動産の所在地

これによれば、上記の関係のある国の遺言の法律に従って作成すればその国の法律に従った有効性が認められることになります。
例えば、日本在住のスペイン国籍の方が18歳で遺言書を作成した場合、スペイン本国法では未成年者の遺言は無効とされますが、日本の民法ではその遺言は有効になります。
また、日本在住のドイツ人夫婦が共同で1通の遺言を作成した場合、日本の民法では共同遺言は無効になりますが、ドイツ本国法では夫婦の共同遺言は有効になります。

ただ、有効であれば良かったという単純な話ではありません
実際には、諸外国は日本とは検認制度や遺言の実現の仕方や、裁判所や公共機関において取扱いが異なります。
日本で作成した有効な遺言書を、例えば米国のある州の裁判所に持って行ったとしてもその内容が実現出来ない可能性があります。

従って、実務的な対応としては、日本の国内の財産は日本の遺言書で対応し国外の財産はその国で遺言を実現しやすいようにその国に応じた方式の遺言を書き分けるべきです。
ただし、いくつかの遺言書の間で矛盾が無いようつまり撤回・取り消したと言われることが無いよう注意が必要です。

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投稿者 松井・森岡法律事務所

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