事務所ブログ

2016年8月 8日 月曜日

遺留分について

今回は、遺留分について解説します
よく、「遺言を書くときには遺留分に気をつけましょう」とか、「遺留分減殺請求は1年間の期間制限があります」という話をご存知の方も多いと思います。
遺留分が相続人に残された最低限の権利であるという理解は、一般の方にも浸透しているようです。

遺留分は、最低限度の相続人間の公平を確保するために兄弟姉妹及びその子以外の相続人に保障された最低限の相続の権利のことをいいます。
被相続人による財産の処分によって、遺留分を侵害された相続人は、遺留分の額以上の財産を取得した相続人に対して、財産の返還を請求することができます(民法1031条)。
これが遺留分減殺請求権です。

遺留分の額の算出方法としては、遺留分算定基礎財産の2分の1(相続人が直系尊属だけの場合は3分の1。)が、相続人全体にとっての遺留分の額です(民法1028条)。
これに個々の相続人の法定相続分を乗じることによって、個々の相続人が有する遺留分の額を算出します(民法第1044条で準用する同法第900条)。
遺留分算定の基礎財産の価額は、以下の数式で求めます。
遺留分算定基礎財産
=「被相続人が相続開始時(死亡時)に有していた財産」+「相続前1年以内の生前贈与」+「特別受益」-「負債」


遺留分減殺請求の実例具体的なケースで見てみましょう。
[事例]
相続人:配偶者、子2人長男次男
被相続人の相続開始時の財産:不動産5000万円、預金2000万円
後継者である長男に対し、死亡1年前に贈与:自社株式2億円
負債:3000万円

[遺留分算定基礎財産の価額]
不動産5000万円+預金2000万円+自社株式2億円-負債3000万円=2億4000万円

[相続人全体にとっての遺留分の額]
2億4000万円×1/2=1億2000万円

[個々の相続人の遺留分の額]
配偶者=1億2000万円×1/2=6000万円
子2人=1億2000万円×1/4=各3000万円


このケースで、被相続人が遺言で、配偶者に不動産5000万円を遺贈し、長男に預金全額2000万円を遺贈した場合を想定します。
配偶者は1000万円遺留分額6000万円-実際の相続額5000万円の遺留分侵害を受け、次男は指定された相続分がありませんから遺留分額3000万円がまるまる遺留分侵害額となります。
配偶者と次男は、それぞれ長男に対して、生前贈与された自社株式2億円と長男の遺言による相続させた預金2000万円につき遺留分減殺請求をすることができます。
まず、遺留分減殺請求は、贈与よりも先に遺贈に対して行います(民法1033条)。
その結果、配偶者と次男長男に遺贈された預金2000万円に対してそれぞれ1000万円と3000万円の減殺請求をします。
配偶者と次男の遺留分侵害額の割合は1:3ですから、配偶者は預金500万円次男は預金1500万円につき、遺留分減殺により、返還を求めることができます
次に、配偶者の残りの遺留分侵害額500万円次男の残りの遺留分侵害額1500万円自社株式2億円分に対して減殺請求します。
これにより、自社株式は配偶者と長男と次男がそれぞれ1:3:362.5%:7.5%:90%)の割合で分割して取得することになります。

このように、後継者が贈与を受けた自社株式が相続人間で分散してしまうことになります。
この問題について取るべき対策は、また項を改めて述べたいと思います。

以上のように、遺留分侵害があるケースでは、具体的な計算やどの財産に侵害請求していくのかについては、結構複雑な問題となります


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投稿者 松井・森岡法律事務所

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