事務所ブログ

2016年3月11日 金曜日

名義預金について(その預金は誰のものか?)

本日は東日本大震災発生から5年目の日となりました。震災により亡くなられた方のご冥福をお祈りし、全ての被災者の方にお見舞い申し上げます。

さて、これまで預金の関係では、以下のブログを書いていました。
相続人による預金の使い込みが疑われるケース
http://www.am-lawoffice.jp/blog/2014/09/post-31-976013.html
相続人による預金の使い込みについて(調べかた)
http://www.am-lawoffice.jp/blog/2014/09/post-32-984800.html

今回は、預金の使い込みとは趣が異なりますが、いわゆる名義預金について、相続の場面での扱いについて見てみます。
名義預金とは、預金契約の名義人と実質的な帰属者が異なる預金を言います。

中には、「えっ、預金の口座の所有者って口座名義人と違うの?」と思われる方もいるかと思います。
しかし、過去には名義預金の帰属が名義人ではなく、実際に金銭を拠出していたものであるとした裁判例があります(東京高裁平成21年4月16日 相続税更正処分取消請求事件判決)。

この論点が問題となる典型例は、相続税の申告納付後に国税庁から、他人の名義となっている預金が実は被相続人の相続財産ではないかという指摘がなされるケースです。
このようなケースは珍しいケースではなく、被相続人がそれなりの資産を築き、他の親族の名義で預金をしていることは往々に見られることです。
そして、名義人となっている他の親族に預金額相当の収入を得ていた事実が無いなどとして、国税から税務調査が入ることもあるようです。

上記判例がいうには、他人名義の預金が相続開始時に被相続人に帰属する財産(遺産)であるか否かは、
①当該財産またはその購入原資の出捐(エン)者が誰か、
②当該財産の管理及び運用の状況
③当該財産から生じる利益の帰属者は誰か、
④被相続人と当該財産の名義人並びに管理運用者との関係
⑤当該財産の名義人が名義を有することになった経緯

総合考慮して判断すると判示しています。

このような名義預金の存在が疑われる場合、相続人間で遺産の範囲として争われるケースもあります
その場合、まずは名義預金が被相続人に帰属する財産か否かを慎重に検討したうえで、遺産に含まれる(被相続人に帰属する)とするのであれば、遺産分割調停を起こすか、その前に遺産確認訴訟ないし共有持分権確認訴訟を提起する必要があります
これに対し、名義人からは贈与などの反論も考えられるところです。
そうすると特別受益の論点も検討する必要があります
このように名義預金の問題は遺産相続の場面においても、重大な問題として浮上することがあります


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投稿者 松井・森岡法律事務所

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