事務所ブログ

2016年1月15日 金曜日

生命保険金に特別受益は成立するか

特別受益については、以下のブログを書きました。
特別受益の計算の仕方
http://www.am-lawoffice.jp/blog/2015/11/post-39-1223536.html
生前贈与と特別受益の関係
http://www.am-lawoffice.jp/blog/2015/11/post-42-1227265.html
特別受益で争わないようにするには
http://www.am-lawoffice.jp/blog/2015/12/post-43-1245509.html
特別受益と黙示の持戻し免除の意思表示
http://www.am-lawoffice.jp/blog/2016/01/post-45-1249563.html

今回は、生命保険金に特別受益は成立するかという点についてブログを記載します。
回答から申し上げると、特別受益が成立する場合があるということになります。

まず、生命保険金の受取人は契約者が指定できます。
そして、保険金受取人が誰になっているかで、相続財産になるかどうかが分かれます

1.保険金受取人特定の相続人に指定されている場合、生命保険金(請求権)は相続財産ではありません
保険金請求権は、指定された受取人の固有の権利として取得するので相続財産とはならず遺産分割の対象とされないのです(最高裁昭和40年2月2日判決)。
2.保険金受取人が単に被保険者の相続人と指定されている場合、これも生命保険金(請求権)は相続財産とはなりません
この場合も、相続人の固有の権利となり、各相続分に応じて請求権を分割取得することになります(最高裁平成6年7月18日判決)。
3.保険金受取人被保険者と指定されている場合、生命保険金(請求権)は相続財産となります
4.保険金受取人空欄であった場合、約款等の定め方によって相続財産かどうかが決まります

以上を前提として、生命保険金が特別受益にあたるかどうかが問題になるのは1の場合、つまり特定の相続人だけが生命保険金を受け取る場合です。

この場合、生命保険金が相続財産にならない以上、特別受益の成立の余地はないということになりそうです。
しかし、特定の相続人だけが多額の生命保険金を得て、その他の相続人には相続財産がほとんど残っていない場合はさすがに不公平感が強いでしょう。
そこで、最高裁平成16年10月29日判決は、保険金受取人である相続人とその他の共同相続人との間に生ずる不公平が民法903条の趣旨に照らして到底是認することが出来ないほどに著しいものであると評価すべき特段の事情が存する場合には、保険金請求権は特別受益に準じて持ち戻しの対象となると判断しました。

要するに、例外的に、生命保険金が特別受益に該当する場合があると判断したのです。
その例外的な場合にあたるかどうかは、保険金の額や、遺産総額に対する比率、同居の有無、被相続人と各相続人との関係、各相続人の生活実態など諸般の事情が考慮されます。つまるところ、総合判断です。

従って、生命保険金の受取人が相続人に指定されている場合であっても、相続財産からは外れてしまうのか..と簡単にあきらめる必要はありません一度ご相談をいただければと思います


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投稿者 松井・森岡法律事務所

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