特別受益について

2015年11月19日 木曜日

生前贈与と特別受益の関係

前回は特別受益が成立する場合の計算方法をブログに書きました。
http://www.am-lawoffice.jp/blog/2015/11/post-39-1223536.html

今回は、特別受益の要件と関連して、生前贈与と特別受益との関係について説明したいと思います。
実際に多くいただくご相談で、相続人と被相続人の間で贈与又は金銭の移動の事実があるから特別受益を主張して、相手の相続分を減らしてほしいというものがあります。
しかし、生前贈与の全てが特別受益になるわけではありません

前回のブログでも確認したように、特別受益は、相続人が被相続人から①遺贈、②婚姻のための贈与、③養子縁組のための贈与、④生計の資本のための贈与を受けた場合に成立することに注意が必要です。生前贈与の場合、①遺贈は関係ありません。

遺産分割調停を申し立てて家裁で審理する場合でも、特別受益の成立はやや限定的に解釈されています。
例えば、東京家裁の一般向けの説明文書には下記のような案内があります。
「結納金や挙式費用は、特別受益にあたりません。」
「小遣いや生活費は、扶養の範囲内であるため、特別受益にあたりません。」
「貸付や債務の肩代わりについては、貸付債権や求償権があるので、特別受益にはあたりません。」


もっとも、弁護士が代理人について調停で主張を行う場合には、「結納金」とか「小遣い」の名義が重要なのではなく、その実質を検討して特別受益にあたるということはよくあります。例えば、その額が不相当に高額である場合には、やはり婚姻や生計の資本のための贈与であり、特別受益だと主張するのです。金銭授受の中身、具体的な金額、回数や趣旨を検討して主張を構成していくことになります。

これに対し、不動産の贈与は、生計の資本として贈与されるのが通常ですので、特別受益にあたります。では被相続人の土地上に相続人が建物を建築して居住していた場合はどうでしょうか。
これも地代の支払等の合意が無ければ、使用貸借の成立が認定され、使用借権の設定について特別受益の成立が認められます。ただ、この点は見解はいろいろあり、わかれています。

以上のとおり、なんでもかんでもが特別受益となるわけではありませんのでご注意ください。


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