相続と不動産

2015年9月18日 金曜日

相続後の賃料収入の分配

 今回は「相続後の賃料収入の分配について」のブログです。
 
 前々回は、預金が相続分に応じて当然分割されることを説明しました。
http://www.am-lawoffice.jp/blog/2015/09/post-35-1197008.html
 前回は、株式や投資信託などは相続分に応じて当然に分割するものとはならないと説明しました。
http://www.am-lawoffice.jp/blog/2015/09/post-2-1187086.html

 今回は、応用として、遺産に賃貸不動産がある場合、その不動産から生じる賃料収入は相続人が相続分に応じて請求できるかを見てみたいと思います。
 まず、生前の賃料収入死後の賃料収入について分けて考えてみましょう。
 生前に生じていた賃料収入は、現金で存在していれば金銭の遺産分割となり、当然に分割されません。他方、銀行預金にプールされている賃料はすでに預金債権になっていますから、当然分割されます。
 
 死後の賃料収入はどうでしょうか(前提ですが、賃貸人の死後にも賃料収入は発生します。)。 
 この問題については、平成17年9月8日の最高裁判決が結論を出しています
 すなわち、相続開始から遺産分割までの間に遺産である賃貸不動産から生じた賃料債権は、遺産とは別個の財産であり、各共同相続人がその相続分に応じて分割単独債権として確定的に取得する、としています。
 
 そうすると、相続人の誰かが遺産分割によって当該賃貸不動産を単独取得した場合、遺産分割は相続の開始に遡って効力を生じますので、各相続人が既に得た賃料は精算する必要があるのでしょうか
 この点についても、上記の最高裁判例は回答しています。死後の賃料は遺産ではない、別個の財産であるというのがポイントです。つまり、精算する必要はありません
 従って、遺産分割が未了の間は各相続人は相続分に従って、賃料の一部を取得できます。遺産分割が長引けば長引くほど賃料の受け取りが続くことになります
 かといって、相続人の一人がテナントや入居者に自己の相続分の賃料を請求しても、払ってくれません。通常、相続人の誰かか管理会社が従前と同じ方法で賃料の支払いを受けていますので、実際にはそこから相続人が自己の相続分に応じて支払を受けることになります。この点は、事実上賃貸不動産を管理している相続人には結構な負担になります。
 遺産に賃貸不動産があって、話がまとまらず困っているという方は是非ご相談ください。


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投稿者 松井・森岡法律事務所

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