事務所ブログ

2015年9月 4日 金曜日

遺産分割における預金と現金の取扱いの違い

 今回は、「遺産分割における預金と現金の取り扱いの違い」についてのブログです。
 
 相続人による預金の使い込みの調べ方とその対応策としては、以下のブログを参考にしてください。
相続人による預金の使い込みが疑われるケース
http://www.am-lawoffice.jp/blog/2014/09/post-31-976013.html
相続人による預金の使い込みについて(調べかた)
http://www.am-lawoffice.jp/blog/2014/09/post-32-984800.html


 遺産分割に携わる弁護士にとっては基本的なことなのですが、預金債権は、遺産分割を経ずに相続分に従って当然に分割されます。
 これは、昭和29年4月8日の最高裁判例が、相続人が数人いる場合において、相続財産に金銭その他の可分債権があるときは、その債権は当然分割され、相続分に応じて権利を承継すると判断して以来、固まっている裁判実務です。
 これに対し、現金は遺産分割を経て初めて分割されます。不動産や動産、株式などもそうですので、金銭債権や可分債権だけが特殊と考えておけばよいでしょう。
 具体的には、相続人が2人いて、遺言書が無く、遺産に1000万円の現金500万円の普通預金があったとすると、現金1000万円は遺産分割協議がまとまるまで当然に分割されませんが、預金のほうは250万円ずつに当然に分割されます
 現金と預金で反対の取扱いになることは一般の方にはとても分かりにくいです
 
 相続人間で揉めていなければければ遺産分割協議書を作成すればよいので何のことはないのですが、揉めていると協議書の作成が出来ず、厄介な問題が起きます
 例えば、上記の最高裁判例に従えば、相続人間で意見の相違があって遺産分割がまとまらなくても、その段階でとりあえず預金については金融機関に対し自己の相続分について払戻請求をしたいと考えます。
 しかし、相続実務では、金融機関は一部の相続人の自己の相続分の払戻請求に対して素直には応じてくれません相続人全員の同意をもらってほしい、しかも実印と印鑑証明の提出を求められることがほとんどです。あとで遺言書が出てきたりして、相続人間のトラブルに巻き込まれることを嫌うからです。
 支払いを拒否されると、内容証明通知で請求して裁判せざるを得ません。実際に裁判まで行くケースは多くありませんが、最近でも払戻請求の拒否が不法行為に当たるかが争われた裁判があります。平成26年4月24日の東京高裁判決は金融機関(ゆうちょ銀行)の不法行為の成立を否定しましたが、現在上告されています。

 この問題は、最高裁の判例と金融実務がずれているところで、相続人の立場からは、預金の分割請求を求めるか否かで、いろいろな交渉の仕方が出来る部分でもあります。そして、昨年、この分野について注目すべき最高裁判例が出されています。これは次回にしたいと思います。

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投稿者 松井・森岡法律事務所

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