事務所ブログ

2014年8月29日 金曜日

遺産分割調停の管轄と電話会議システム

 今回のブログは、遺産分割調停の管轄についてお話ししたいと思います。管轄とは、遺産分割の協議が難航してまとまらず、遺産分割調停を裁判所に申し立てる場合、どの裁判所に申し立てるのか、という問題です。
 管轄というのは実は馬鹿にならない問題です。というのは、調停の手続を相続人ご自身がされる場合でも、裁判所に出頭するために交通費(場合によっては宿泊費)を負担しなければなりませんし、弁護士に依頼される場合には、それに加えて弁護士の出張日当が生じることがあるからです。

 まず原則的なルールとして、遺産分割調停の管轄は相手方の住所地を管轄する裁判所当事者が合意で定める裁判所になります(家事事件手続法245条1項)。
 例えば、
  北海道札幌市在住の相続人A
  福岡県北九州市の相続人B
  被相続人Cは東京都、遺産である不動産は東京にある
 ケースを想定します。

 Aが遺産分割調停を起こそうとする場合、Bとの間で管轄合意ができなければBの住所地である福岡県北九州市を管轄する小倉家庭裁判所に申し立てることになります。他方、Bが調停を申し立てる場合はAの住所地を管轄する札幌家裁になります。
 このように、調停を申し立てる側にとって不利であり、申立てを躊躇してしまうかもしれません。
 従って、まずは管轄についてだけでも、ABで合意できるか協議すべきでしょう。
 上記のケースでは、管轄について合意できる場合、被相続人Cの住所地を管轄する東京家裁での申立てが可能です
 また、管轄の合意がなくとも、例えば東京に所在する不動産の評価について意見の相違がある場合、東京家裁の手続において鑑定に付することに合理的な理由があるので、その旨の上申書をつけて東京家裁にて受理されることがあります。
 このように相続人が複数いる場合、どの裁判所で調停をするかというのは最初に検討する重要なことがらです。

 もっとも、法改正で導入された電話会議システムによって、従前とは違った影響があるでしょう。
 すなわち、これまで遺産分割調停では、必ず本人か代理人が出頭する必要がありました。しかし、平成25年1月1日から施行されている家事事件手続法によれば、遺産分割調停においても電話会議システムテレビ会議システムによって、遠隔地でも裁判所に出頭せずに手続に参加することが可能になりました。これによれば、裁判所に期日ごとに出頭しなくてもよいので、当事者の負担はかなり低減されます。
 ただし、制度実施から間がなく、裁判所も様子見の感じであり、具体的な運用は裁判所によって異なり、例えば1回は本人の出頭を求めるなどさまざまなようです。また、調停委員の顔色や調停の雰囲気などが分かりにくい電話会議は、その意味でのデメリットもあると思います。


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投稿者 松井・森岡法律事務所

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