遺産分割調停の進め方

2014年6月18日 水曜日

遺産分割調停の進め方(その2)

 前回のブログでは、家庭裁判所で遺産分割調停がどのように審理されているかについて、順番に「相続人の確定」「遺言書があるか」「遺産範囲の確定」までを見てきました。今回は、引き続き「遺産の評価」「法定相続分の修正」「具体的にどのように分割するか」についてみていきたいと思います。
 重要なことは、遺産分割調停で議論できることは決められた範囲に限られているということです。感情的な対立はもちろんのことですが、相続に関することなら何でも主張できるということではありません。

「遺産の評価について」
 次に、遺産の評価(価額)が問題となります。上場株式は分割時点の株価を基準とします。非上場株式は財産評価基本通達の方式がとられることが多いです。問題は不動産ですが、不動産の評価については以前のブログに記載しました。
 http://www.am-lawoffice.jp/blog/2014/05/post-9-870960.html
 ポイントは当事者が評価の根拠資料を出し合ったうえで、合意できるかどうかということです。遺産の評価について、相続人間で合意がなされない場合、鑑定することになります。鑑定費用は、法定相続分に基づいて各当事者が負担するのが原則です。これはまさに遺産分割調停で決すべき事柄です。

「法定相続分の修正」(特別受益・寄与分)
 相続人間の公平をはかるために、各相続人の相続分を修正する必要がある場合があります。
 共同相続人中に、被相続人から遺贈や生前贈与等(特別受益)を受けた方がいる場合、その特別受益を相続分の前渡しとみて、計算上相続財産に加算して相続分を算定します。特別受益の有無やその価額について、当事者間で争いがあり、遺産分割調停で合意に至らない場合には、遺産分割の審判で判断されます。
 さらに、共同相続人中に、被相続人の財産の維持または増加に特別の寄与(通常期待される程度を超える貢献)をした方がいる場合、相続開始時に被相続人が有していた財産からその方の寄与分を控除したものを相続財産とみなします。遺産分割調停の中で寄与分を主張しても合意が得られない場合、独立して寄与分を定める処分調停を申立てます。
 これらの修正をうけて、相続開始時に被相続人が有していた財産に、特別受益の価額を加え、寄与分の価額を引いて算出されたものを「みなし相続財産」といい、各相続人の具体的相続分=(みなし相続財産)×(相続分)+(修正分)となります。

「誰がどれを取得するか」(具体的にどのように分割するか)
 最後に、誰がどの財産を取得するかを決めます。
 特に不動産の分割方法については、以前、記事に書いたとおりです。
  http://www.am-lawoffice.jp/blog/2014/05/post-8-869295.html
 具体的に、誰がどの財産を取得するのかについて合意に至らない場合には調停不成立となり、自動的に審判が始まります。

 以上の検討の流れに含まれないもの、例えば代表的なものとして、相続人の範囲に争いがある場合(婚姻や縁組の無効の確認)や、遺言の有効性遺産分割協議書の有効性を争う場合は遺産分割調停ではなく、他の訴訟(人事訴訟や民事訴訟)で決めるように裁判所から言われます。これが前提問題といわれる問題です。
 また、使途不明金があるとか、葬儀費用をどう負担するか、遺産から賃料配当金がある場合どう分配するかなどは付随問題といわれるものです。これらは本来的には調停で決すべき事項ではありません。とはいえ、遺産分割とも関連しますので、調停で合意できるかどうか3回程度期日を重ねることがありますが、合意できなければ民事訴訟で決着するように指示されます。


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